三度飯blog

文書力ゼロ

第二次世界大戦でドイツが勝てなかった理由(イギリス編

タイトルにこんなこと書いてますが例えば英仏海峡がいきなり隆起してイギリスとフランスが地続きになったりブリテン島に隕石が落ちたらドイツは勝てますがこんな事考えてたらキリがないので省略します。

 

貧弱なドイツ海軍とイギリス海軍

 

〜水上艦艇の圧倒的不利〜

f:id:PrinceofWales:20200420100106j:image写真はキングジョージ5世級戦艦。この艦級だけでドイツの超ド級戦艦群に数的有利を作り出す。

 

ドイツ海軍とイギリス海軍の戦力には大きく開いた戦力差があった。第一次大戦後建造された艦は主力艦だけでもドイツは4隻、イギリスは7隻と大きな開きがある。当然駆逐艦巡洋艦などのでもイギリスは圧倒的な数的有利を誇った。

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写真はUボート。有力な潜水艦だが数が少なくまた、戦争中盤からはイギリス輸送船団に太刀打ちできなくなった。

 

当然ドイツ海軍もこの状況を黙ってみているはずも無く潜水艦による制海権制圧を目指した。潜水艦は海上封鎖でイギリスを孤立させるだけで無く主力艦の斬撃など様々な任務を想定された。実戦でも輸送船団への攻撃や主力艦への攻撃は一定の効果を上げた。

 

デーニッツ提督の憂鬱〜

デーニッツ提督はUボートによる攻撃でイギリスを屈服させるには300隻が必要と判断した。しかしヒトラーや海軍は潜水艦を軽視しており300隻体制は実現しなかった。それでも大戦序盤、ドイツ海軍潜水艦、水上艦艇によっては英国輸送船団を肉薄し続けた。

 

1941年、これは大西洋における戦いの大きな転換点となった。f:id:PrinceofWales:20200420102555j:image写真はフッドに攻撃するビスマルク

ドイツ海軍はデンマーク沖海峡海戦の後ビスマルクを喪失。英国はフッドを喪失したために数的有利は広がらなかったがドイツから北海、大西洋の制海権をほぼ完全に掌握。さらにはタラント空襲によって地中海の脅威を排除するなどイギリス海軍の優位は確立しつつあった。そして頼みの綱のUボートがイギリスによって対策され始めると徐々に戦果が出なくなっていった。

ドイツ海軍は1939年時点でそもそもイギリス海軍に正面から激突できる軍隊では無かった。制海権を獲っていても難しい上陸作戦をまして制海権を奪われた状況で達成するのはほぼ不可能である。

 

バトルオブブリテン 

〜防空要塞ブリテン島〜

f:id:PrinceofWales:20200420103557j:imageバトルオブブリテン、それはドイツ海軍が航空艦隊もドーハ海峡の制海権も取れなかった為に起きた悲劇ともいえる。f:id:PrinceofWales:20200420104029j:imageドイツ空軍主力Bf109。航続距離の短さによりロンドン上空に約15分しかいられなかった。

ドイツ軍は陸海空軍の合同によるアシカ作戦の一環としてバトルオブブリテンは開始された。海軍による主力艦の斬撃と英仏海峡の機雷封鎖、空軍の制空権掌握、そして陸軍の上陸作戦この三つのうちの一つがバトルオブブリテンである。Bf109は航空艦隊より出撃する構想であった説がある。しかし航空艦隊は実現せずこの時点でアシカ作戦の足並みは乱れていた。

f:id:PrinceofWales:20200420104545j:imageイギリスは世界最先端の対空レーダーを駆使して数で勝るドイツ空軍に立ち向かった。機動力に勝るスピットファイアとハリケーンにBf109は劣勢を強いられた。さらにドイツは爆撃目標を港湾施設からロンドン市街にしたために戦略的に意味のないものとなった。ドイツ空軍は大きな被害を出したが結果的にロンドン並びに英仏海峡制海権を取ることが出来なかった。三軍統一作戦のうち二軍の作戦が失敗した。もはやブリテン島への上陸は不可能となった。ドイツ軍はブリテン島を諦めソ連に向かう事となる。

 

仮にドイツの上陸作戦が成功していたとしても英国海軍が機雷原を突破するのは時間の問題であり、結果的にドイツ軍は孤立するという研究が出されている。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%82%AB%E4%BD%9C%E6%88%A6?wprov=sfti1

 

上陸作戦において完全な制海権と制空権は必須事項です。ドイツは海軍はまだ再建途中でまともに戦えるものではありませんでした。その結果、空軍は本来受けられるはずの海軍の支援が無い状態でイギリス空軍に立ち向かう羽目になりました。ドイツ海軍はバルト海制海権ですら完全に掌握できておらずブリテン島攻略など夢のまた夢だったのです。

次回は独ソ戦編。ドイツは地政学上無敵の土地に挑みます。