三度飯blog

文書力ゼロ

なぜ移民は差別されるのか?

最近クルド人移民と警察が揉めて人種差別だと問題になりましたね。

世界各国で移民とのトラブルが多発するのはなぜなのでしょうか?

 

1、民族アイデンティティ

基本的に民族アイデンティティは何らかの集団に属している場合ほぼ必ず持ち合わせておりそれらは原則排他的です。二つのアイデンティティの融合は長い時間を有し国民国家システムが形作られた後に成功した例はごく少数となります。なぜかというと民族アイデンティティに内包される慣習、思考、宗教、文字、言語などはコミュニティを作り出しその内部での結束を高めるからです。形成されたコミュニティは非常に複雑で他のコミュニティが完全に理解するのは難しく奇妙で珍会なものに見えてしまいます。

 

2、移民

移民はごく少数の場合は住んでいる国家、国民のアイデンティティに溶け込もうと努力します。しかし多くの移民が同じ場所から移動し居住し始めると故郷の人間のみのコミュニティを形成し始めます。このコミュニティを支えているのは故郷の民族アイデンティティです。その結果移動先の国民は自らの民族アイデンティティを侵されているという危機感を覚えます。移民によるコミュニティは次第に移動先のコミュニティと衝突するようになるのです。

 

3、潜在化する差別

ここでは欧州を見てみましょう。欧州は常に移民の脅威にさらされました。ゲルマン、ノルマン、マジャールユダヤ…古代からヨーロッパを目指して多くの人が移動してきたのです。そして現地のコミュニティと衝突、戦争や迫害が起こりました。わかりやすい例がヒトラー率いるドイツです。彼らはユダヤ人やスラヴ人のコミュニティに積極的に攻撃をしに行きました。内部の移民に対する差別と外部へ移民として出て行った先での差別、その両方を行いました。顕在化している差別です。

現在このような顕在化した差別はヨーロッパではほとんど現れていません。少なくとも国家主導では行われていません。差別は地下へ潜っていきました。現在、移民に対する差別は主に仕事の内容や賃金として現れています。移民は最低賃金未満で長い時間劣悪な環境で働かせても文句を言わない奴隷のような存在となりました。そのため彼らは計らずとも現地民の仕事を奪ってしまいました。彼らは現地民の富裕層には奴隷として差別をされ、底辺層にはコミュニティを脅かす敵として差別され、中流層には潜在的な脅威として差別されます。彼らは国家によって殺されることは無くなりました。しかし今までと全く違う差別を発生させたのです。現地コミュニティがゆっくりと見えない形で迫害をしてきました。

 

4、日本の移民

自分は日本はあまり移民を受け入れるべきでは無いと考えています。日本は世界的にも異様で強固なコミュニティを形成してきました。そのコミュニティは非常に排他的です。同じ言語、文字、宗教観、慣習…しかし日本には国家以上のアイデンティティが欠如しています。アジア的アイデンティティやヨーロッパ的アイデンティティというものが日本には無いのです。日本は外からやってきた人間に対して懐疑的で恐怖を覚えます。それは移民も例外ではありません。このまま移民を受け入れ続ければ日本では差別が起こるでしょう。それが顕在化するか潜在化するかは誰も分かりません。